すべては神の御手にあり

前回の続きから。

「ひょっとして妊娠かもしれない」という妻の言葉を聞いて、私は思わず「えーっ!?」って叫んでしまいました。
普通、女性が吐き気、倦怠感、眠気・・・と来れば、すぐに妊娠が思いつきそうなものですが、私達夫婦はこの時まで全く気づかずにいたのです。
その原因は「結婚からすでに9年以上も経っている」ということにあります。

私は最初から子供を望んでいたので、結婚後9年間、ただの一度も避妊などはしていません。それどころか、付き合い始めた当初から結婚を意識していたため、結婚前の恋人期間を含めて14年間、避妊具なんぞ使ったことがないんです(生々しい話でスミマセン)。今でも家に置いてないですよ(笑)。
むしろ結婚前に子供ができたほうが「その後の展開がスムーズになる」とさえ考えていたんです。
まるで敬虔なモルモン教徒のように、真面目に、誠実に、「自然な状態のセックスしかしない」という生活を続けていたのですから、キリスト教徒からは誉められてもいいぐらいですね(笑)。
それでも子供ができないのだから、「明らかにどちらかが不妊症だ」と考えるのは自然なことでしょう。

結婚3年目が経過した頃から、私は不安になって「病院で見てもらおう」と提案しましたが妻は頑なに拒否。
子供時代に親から「一流の人間になれ」と厳しく育てられた妻にとって、「子を持つこと」は非常に強いプレッシャーを感じるものだったのですl。1年半前に、ヒプノセラピストの宮本先生と出会ってから、妻のこのトラウマはかなり解消されたのですが、それでも「私は母親になる自信がない」という傾向は今でも続いています。
不妊治療の話題が出るたびに口論になるので、いつの日からか、私自身もあまり口にしなくなって行きました。正直、収入が不安定な完全フリーランスで働いている私にとっても「高額な治療費のかかる不妊治療」は、あまり現実的なものにも思えませんでした。
ただ、ホロスコープ上において「子供を意味する5室」に妻は「幸運の木星」を持ち、私は5室にPOF(パート・オブ・フォーチュン)と呼ばれる「幸運のしるし」がありましたから、子供を持たないというのは「せっかく天から与えられている福分を使えない」ということでもありました。もったいないですね(笑)。
もし私達が子供を持たないのであれば、これらの幸運エネルギーを5室の別の意味である「芸術」「イベント」などに振り替える必要があったんです。
私達が石巻市在住の芸術家さんたちと積極的に交流しているのも、実はこういう「裏の理由」があるわけなんですね。
実際、5室の木星とPOFは影響力があったようで、「こういう楽しい毎日が続くなら、子供はいなくてもいいかな・・・」とちょっと思い始めてさえいたのです。

このような経緯があり、二人の共通認識として、「積極的な不妊治療をしなければ子供を授かることはあり得ない」とすっかり思い込んでおり、だから妻の体調不良に対して「妊娠かも」という可能性には考えが至らなかったのです。

ところが、妻の「妊娠かも」の言葉で正気に戻り、慌てて翌日妊娠検査薬を購入しましたが、結果は陽性。つまり「子供ができた」ということです。
この時、世間ではオリンピックの延期が決まった途端に小池都知事が「不要不急の外出は控えてください」と宣言したり、公表される感染者数が突然激増するなど、「オリンピック開催と国民の命を天秤にかけて、小池知事や安倍総理は事実を隠蔽していたのではないか」と思われるような事実が次々に表面化して来ました。権力者に対する不信感が急速に高まっている時期だったんですね。

4月1日になって、日本生殖医学会から「できる限り妊娠を避け、不妊治療は中止してください」という勧告が出され、実際、不妊治療を断念する女性が続出したのです。40代の女性にとって「当分の治療中止」は、そのまま「一生子供を持てない」ことを意味する危険があります。それぐらい残酷な勧告を出すまでに医療の現場は追い詰められていたんですね。
こんなタイミングで、14年間も子供ができなかった私達に突然、降って湧いたような奇跡が起きたのです。なんつータイミング。

私のホロスコープのMC(天頂)付近で停滞しているトランジット冥王星は、確かに「死の星」ですが、冥王星には「遺伝」「誕生」という意味もあります。冥王星は「生と死」の両方を扱う天体だからですね。
となると、3月中に相次いだ「知人の死」と「妻の妊娠」は、どちらもこの冥王星によって引き起こされた事件であるのかもしれません。
いずれにしろ、この「子供」の存在は、私達の人生計画の大幅な変更を迫るものになったのです。すべては運命の地図に書き込まれた通りに・・・。

仕事の忙しさはピークでしたが、何とか時間調整して3月27日に産婦人科を初受診。
当然のことながら、医者も看護師も、待合室の妊婦さんたちも全員マスク装備の物々しい雰囲気でした。病院内では咳払いひとつできません。

最初は「本人だけ」ということで診察室に妻が通されましたが、10分後に私も待合室に呼ばれ、医者から「良かったですね。順調ですよ」と言われ、エコー写真を見せられました。
妻は持病があって「病気のデパート」みたいな人なので、これまで彼女の体調に関して「順調」と言われたのが初めてであり、かなりの違和感を感じたのを覚えています。

この産婦人科では「分娩はやっていない」といういことで、紹介状を書いてもらった別の総合病院で産むことになったのですが、3月30日になって、その入院予定の総合病院で「医者がコロナに感染した」と報道され、外来受付がいっせいに休止される事態になったのです。妊娠確定から3日目で早くもピンチ(苦笑)。

「これはマズイ」ということで、他の個人経営の産婦人科を探し始め、4月4日になって改めて別の産婦人科を受診しました。
ところが、そこでは「高齢出産の場合、やはり総合病院で産むのが望ましいと思います。うちでは引き受けられません」ということで、やはり最初に紹介されたのと同じ総合病院で出産することを勧められたのです。
せっかく別の産婦人科に来たのに、「振り出しに戻る」というわけです。すごろくかっ!

その総合病院は、全ての医者と入院患者にPCR検査を実施し、全員が「陰性」となったため、5日後に外来受付を再開。
どうやらこちらに選択肢は用意されていないようなので、「ここで生む」と覚悟するしかないのでしょう。「選択肢がない」のは、ある意味では「悩まなくても良い」・・・ということでもあります。

通常、忙しい時には私は作業場に泊り込むのですが、妻のつわりが重く、食事を作る気力すらないため、私が仕事帰りに毎日スーパーに買い出しに行き、妻が食べられそうな「特殊な食事」を作り、また翌日の朝3時には家を出る・・・というような困難な生活が始まったのです。睡眠時間は平均で4~5時間。途中の休憩時間は「ゼロ」です。
恐らく、永平寺の修行僧でさえも、私よりは楽な生活をしていると思いますよ(笑)。
もちろん、テレビを見る暇も、スマホを見る余裕すらなかったので、鑑定依頼のメールなどにもほとんど返信ができていませんでした。
しかしこの期間中、ラジオ以外の情報から遮断され、ひたすら肉体労働に熱中するというのは結果としては「良かった」のかもしれません。社会全体を覆う「不安感」「怒り」「絶望感」に巻き込まれることなく、ひたすら「自分の成すべきこと」にのみ集中できたからですね。

しかし、トランジット冥王星が与える「衝撃」はこれだけに収まりませんでした。

私のブログを長く読んでくださっている方なら、私が妻と出会う以前、20年以上に渡って「片思い」をしていた大切な女性がいることはご存知だと思います。
このブログでは「マドンナさん」と称していましたね。

私が彼女と最後に話をしたのは2年前です。その時は「子宮体がんの簡易検査にひっかかったので、これからどうなるか見て欲しい」という鑑定依頼でした。この時の話を知りたい方は、ブログを2年ほど遡ってもらえると助かります(笑)。
ホロスコープ分析の結果は「子宮体がん陽性の可能性が高い」「その場合、子宮の全摘出は避けられない」というものであり、私は彼女にそのままの結果を伝えました。
かつて恋焦がれた「憧れの女性」が相手であろうとも、「ホロスコープを読んだまま伝える」という私のスタンスは変わりません。
私の言葉がどれほど彼女を傷つけることになるかも充分に理解しながら、私は彼女にそれを伝えたのです。

その後、彼女は精密検査のために入院しましたが、その日から音信普通になりました。こちらからのLINEにも返信はなく、完全に連絡が途絶えたのです。
もちろん、鑑定料金も未払いです(笑)。
精密検査の結果がどうだったのか、実際に子宮摘出手術になったのかは今でも分かりません。

妻の妊娠が病院で確認された3月27日。私達夫婦は、去年出産したばかりの親戚(いとこ)の家に「おめでた報告」に行きました。報告と言うよりは、「これから何をすればいいか教えて欲しい」という感じだったんですけどね(笑)。乳飲み子を抱えるいとこはとても忙しそうで「イチイチ教えるの面倒だからYoutubeで自分で勉強して」だそうです。冷たいな~(苦笑)。

しかし、その雑談の中で彼女から「そう言えば知ってる?○○さんちのマドンナちゃん、出家したんだって!」
「・・・・出家?」
「誰にも相談しないで突然会社を辞めて、有名な尼寺に弟子入りしたんだって。家族にはすべて決まってから報告したって。実際の出発(引越し)は来週だそうだけど」

この2年の間にマドンナさんに一体何があったのか・・・。確かあの時は婚約者がいたはずだが、その男性との関係はどうなったのだろう?それにしても、この現代において「出家」とは古風過ぎて恐れ入る。
すべてを捨て去って、人生を一からやり直したくなるほどの「何か」があったことは間違いないだろうが・・・。

妻の妊娠が確定した当日に、昔好きだった女性の「出家」を知ることになるとは、運命は何と皮肉なのだろう。
彼女はあと1週間ぐらいは「俗世」にいるらしいから、LINEで連絡して見ようか・・・。
でも、何を話せばいい?
子宮を失っているかもしれない女性に対して、「妻が妊娠したんだよ」という話を言えるわけがない。
家族にも相談せずにすべてを決めたことから考えて、マドンナさんが相当な覚悟を持ってこの決断をしたことは容易に想像がつく。今や、私の言葉には何の力もない。

世間のメインストリームから離れて「ひとり農業経営者」「占星術師」として細々と活動していた私に子供ができて俗世に縛られることになり、大企業で管理職クラスにいた「キャリアウーマン」の彼女が世俗をあっさり捨てる。その「運命の逆転劇」が同時タイミングで起きたのだから、やはり私と彼女の間には、前世から続く何らかの「特別なつながり」があったのかもしれない。
ただし、二人の人生が交差することは、もう二度とないのだろう。

私は彼女に連絡しないことに決め、その日も妻のために野菜サラダを作ったのです。

次回に続く。

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