霊性と情熱のあいだぐらい

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zoom RSS 運命の強制力

<<   作成日時 : 2011/07/05 15:42   >>

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今、思い返してみると大震災のしばらく前から、私たちを助けようとする見えない力が働いていたように感じる。
石巻の旧市街は細い路地や一方通行が多く、非常に分かりにくい。地図を見ながら歩いても、今、自分がどこいるかが分からなくなるほど複雑なのだ。宮城県第一の都市である仙台が人口100万人超であるのに対し、第二の都市である石巻が16万人にとどまっているのは、この利便性の悪い道路事情によるのではないかと考えている。
もともと県外出身である妻は、職場こそ石巻の中心部にあるが、旧市街の複雑な道路についてはほとんど知らない。中心街は駐車場も少なく、渋滞が起こりやすいため、買い物は郊外のイオンやイトーヨーカドーで済ますことが多かった。
ところが大震災の3日前。駅前から徒歩で石巻市民図書館に向かった妻は、帰りに道に迷ってしまった。図書館から駅まではすぐ近くなのだが、道を間違えた妻は、日和山、穀町、立町商店街などをさ迷い歩いた。その日は帰ってきてから「疲れた、疲れた」を連発した。
そして大震災当日。津波によって街中が冠水し、妻は避難した石巻市役所に3日間に渡って閉じ込められてしまった。
外では私が着々と救出計画を進めていたのだが、連絡手段がなく、それを知らない妻は3日目の朝に一階が水没している市役所から自力脱出を図った。その時の脱出ルートになったのが、震災の直前に迷ったあの道なのだ。
まるで避難の予行演習をするためだったかのように、迷った道と脱出ルートは一致した。

地震当日の夜に、妻を捜しに私は車で中心街に入ったが、開北橋を渡ったとたんに、水に囲まれ、さらに大渋滞に捕まってしまった。水位はどんどん上昇、はるか前方の車はエンジンに水が入って動けなくなっているようだった。
私の車は旧式のディーゼルながら、車高が高く四輪駆動。「ここで死ねるかっ!」と、クラクションを鳴らし、周りを威嚇しながら強引にUターンした。
私が買い換える予定だったフィットと同型車が列に並んでいたが、あれは恐らく脱出できなかっただろう。
その後、45号線から迂回して中心部に入ろうとしたが、中里バイパスも完全に水没していた。バイパスへの入り口をパトカーが通行止めにしていたが、どんどん水位が上昇し、パトカーまでもが逃げ出した。戻ろうにも帰り道が冠水し、私自身がバイパスの入り口付近で孤立してしまった。だが、目の前で起きていることに現実感が持てなくて、不思議と恐怖心はなかった。行けるところまで行って、エンストしたら車を乗り捨てようと決意し、水没している国道に侵入。何とか脱出に成功したが、国道沿いの店舗の駐車場にはライトをつけたままで立ち往生している車が数百台もいた。
結局、今でもそのポンコツ車に乗っている。中古車市場が高騰したこともあるが、何よりも「命の恩人」である車は廃車にはできない。

私たちに限らず、震災直前から「不思議な感覚」があった人や、当日だけ普段とは違う行動をとったと言う人は意外と多い。まじめで会社をズル休みしたことなどない人が、なぜか地震の当日だけ「今日は会社を休みたいな」などと言っていたりする。それは特別に信心深いとか、善人であるからというのとは関係がないようなのだ。
恐らく、見えない世界からの「警告」のようなものは、被災地すべての人間に届いていたのではないか?ただ、何となく不安であるとか、胸騒ぎがするというレベルではあるが、感じていた人は避難も早かった。それでも多数の犠牲者が出てしまったのは、この警告には「強制力」がないためだ。
占星学の有名な言葉に「星は誘えど、強制せず」というのがある。運命は人をある方向に誘導しようとするが、強制力がないため、人はその導きに逆らうこともできる。例えば、好きな人ができて、その人と結婚したいと思ったとする。運命の導きにより二人は出会い、そして好意を持った。その人に「好きです」と打ち明けたいと思う・・・・だが、星の導きはここまでだ。
その人の口を操って、強制的に好きだと言わせるようなことはないし、できない。もちろん、告白すれば、高い確率でうまくいくようにお膳立てされているのだが、本人がそれを知るすべはない。最後は勇気を出して、自力で思いを伝えるしかないのだ。

震災の日も、危険を知らせる見えない呼びかけは、すべての人に届いていたのだと思う。ただし、危険だと思っても、逃げ出せない体の不自由なお年寄りや、教師の指示に従う以外に方法がない小学生。危険だと分かっていても、家族を迎えに行くため沿岸部の自宅に向かった人たち・・・・。亡くなった人たちすべてに事情があり、想いがある。だが、決して神や運命に見捨てられた人たちではなかった。
死者・行方不明者2万3千人以上・・・・とてつもない数字だが、あれほどの巨大津波が、広範囲にわたって到達したのだが、実際には10万人以上の死者が出ても不思議はなかった。見えない力は人々を助けようとしていたのではないか?それでも、すべての人を助けられなかったのは、見えない力に「強制力」がないからではないか?
原発事故に関しても、あれは天罰ではない。人災なのだ。福島原発の危険性を指摘する人はずっと以前から少なからずいた。「見えない世界からの警告」が聞こえていた人はいるのだ。それを無視して、経済性、天下り場所の確保、自分たちの利益を重視して大事故を招いたのは「人の意志」なのだ。決して天が与えた「学び」などではない。

運命は確かにあるが、強制力はない。最後にすべてを決めるのは人の自由意思。そう考えると、今まで疑問に思っていた多くのことが納得できるようになった。

画像


ちなみに写真は私が一時孤立した中里バイパスへの入り口付近。当日の夜はこれよりももっと水位が高かったし、停電で真っ暗、ヘッドライトの届く範囲以外は漆黒の闇だった。

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