恐怖の大王

農業関係の仕事が忙し過ぎて、占星術鑑定依頼が引き受けきれない状況になっていますが、前回お約束したとおり、「ノストラダムス予言の占星術的解釈」を進めて行きたいと思います。
ノストラダムスは「世界で最も有名な占星術師のひとり」ですが、日本での彼の評判は「最悪」と言っていいでしょう(苦笑)。

その理由が「オウム真理教事件」ですね。
五島勉の書いた「ノストラダムスの大予言」というオカルト本は1970年代に日本で大ブームを巻き起こしました。今、40代以上の人なら、「小学生時代に本をみんなで回し読みした」という記憶がある人も多いでしょうね(笑)。私もまさにこの世代です。

この本の要旨は「1999年7月に世界が終末を迎える」というようなものであり、この「終末思想」が80年代、90年代の「新興宗教ブーム」の精神的な土台になったとされています。
実際、オウム真理教の教祖である麻原彰晃も「ノストラダムス・秘密の大予言」という本を発表しており、この本を読んでオウムに入信した若者も多かったと言います。
オウム真理教が掲げる「ハルマゲドン(人類最終戦争)を生き残るために・・・」という極端な終末思想も、一般人から見れば「バカじゃないの?」としか思えないのですが、幼少時からノストラダムス予言に触れていた若者達にとっては比較的受け入れやすい考え方だったのですね。

ちなみに、五島勉が著書の中に引用している参考資料の多くは、彼自身による捏造であり、内容的には「全くのデタラメ」でした。要するに、彼が引用元としていた参考資料そのものが実際には「存在しなかった」のですね。
結局、五島勉や麻原彰晃、大川隆法(幸福の科学の教祖)のようなペテン師に煽られ、1990年代の日本社会は「漠然とした社会不安」の中で人々はその救いを「終末思想」を持つ新興宗教に求めていったわけです。

結果として、この「モヤモヤとした不安感」が1995年の「地下鉄サリン事件」を引き起こし、これをきっかけに新興宗教は急速に衰退して行ったのです。

一方、ノストラダムスの故郷であるフランスでは、「終末予言」のことなどほとんど知られていませんでしたし、ノストラダムスは地元で「ペストと戦った高名な医者」としてのみ認知されていたのですから、いかに日本で起きていた「終末思想ブーム」が五島勉の著書に影響されていたオカルト的なものだったことが分かりますね。

ノストラダムス自身は「オカルト」を強く否定した学者であり、ヨーロッパ最大の大富豪「メディチ家」の庇護を受ける名士でした。
それこそダ・ヴィンチなどと同じような扱いを受けていた「社会的権威を持った常識人」だったのです。

さて、オウム真理教による「地下鉄サリン事件」の遠因となったとも言われるノストラダムスの予言はこのようなものでした。

1999年7月、
空から恐怖の大王が来るだろう、
アンゴルモアの大王を蘇らせ、
マルスの前後に首尾よく支配するために。
(百詩篇 第10巻72番)

ノストラダムスの予言書のほとんどは「日付」が書いていないことが多いのですが、なぜかこれだけは「1999年7月」と細かく時期が指定されているんですね。それだけ重要なことを伝えたかったのだと思います。
ただ、内容的にはほとんど何を言っているのか分からないですし、これを見て「人類滅亡の予言だ」と判断した五島勉の頭の構造がちょっと理解できません(笑)。

それから、前回も言いましたが、ノストラダムスが当時使っていた天文暦(星の運行表)はかなりの部分で計算ミスが発見されているので、この「1999年7月」という計算は間違っていると見ていいはずです。
しかも、ノストラダムスの死後、ヨーロッパの暦は「ユリウス暦」から、現在の「グレゴリウス暦」に変更されていますので、当時の予言詩をそのまま今の暦に当てはめることはできません。
そのため、「1999年7月」という部分については「絶対に間違っているはず」ですので無視したほうがいいでしょう。

問題は二行目以降ですね。

彼は占星術師ですので、文章のほとんどが「占星術用語」だと考えるのが自然です。そのため、占星術の知識のない五島勉のような人が、そのままの文章を理解しようとしても無理なんですね。

まず「恐怖の大王」ですが、占星術において「恐怖」を担当するのは冥王星、「大王」を意味するのは獅子座ですから、これを続けて解釈すると「冥王星が獅子座に入居している時期」と読むことができます。
ただし、冥王星が発見されたのは1930年ですから、1566年に亡くなったノストラダムスが冥王星の存在を知っているはずがありません。
しかし、ペスト治療の際に「ウイルスの存在を知っていた」かのような科学的行動を取っていたことから考えて、彼が「冥王星の発見そのものを予知していた」ことも充分に想定されると思います。これが彼の予言詩を複雑なものにしてしまったのですね。

そうなると、冥王星が人々に認知される1930年以降で、「冥王星が獅子座に入る時期」がこの予言詩が暗示している時期だと判断されるわけです。

冥王星の公転周期は248年ですから、これだけの情報でもかなり候補の時期を絞れますよ。

計算して見ると、1939年~1958年頃まで冥王星は獅子座内に留まっていましたね。歴史に詳しい人ならすぐに気がつくと思いますが、1939年は「第二次大戦勃発の年」です。
獅子座は「権力欲(王)」の象徴ですし、冥王星は「状況の刷新」を意味する星です。つまり、この期間中に、その後の世界構造を決めるような「何か大きな事件」が起こることを表示しているんですね。

3行目にひとつだけ固有名詞が出て来ますが、それが「アンゴルモア」です。
これは何でしょうね?
これこそが世界中の研究者を悩ませたキーワードなんです。
諸説ありますので絶対ではないのですが、この詩の中でここだけが具体的な「固有名詞」になっていることから考えて「人名」か「地名」であると解釈するのが正しいと思います。

実は1945年、アメリカのニューメキシコ州で人類最初の原爆実験が行われたのですが、そこの地名が「アラモゴルド」なんです。何だかアンゴルモアと似てますよね(笑)?
つまり、この詩の本当の意味は、「人類が核兵器を手にする」ことを暗示しているのではないかと思われるのです。

冥王星の英語名は「プルートー」ですが、これが「プルトニウム」の語源になったことはよく知られています。
歴史的事実として、広島・長崎に投下された原爆は1942年に考案され、翌年1943年からロスアラモス研究所で開発計画がスタートします。

4行目の「マルス」ですが、これはそのまま火星(マーズ)のことだと考えていいでしょう。占星術師ならここに異論はないはずです。「前後を首尾よく支配する」と書いてあることから、何らかの強力な星が火星に「コンジャクション(0度になる)するタイミング」だと読み取れるわけです。

「強力な星」というのは、「公転速度が極端に遅い星」のことです。

さて、当時の原子爆弾には「二つの種類」があることはご存知でしょうか?
広島に投下された原爆は「ウラン型」、長崎に投下された原爆は「プルトニウム型」です。

プルトニウムの語源は「プルートー」ですが、ウラニウムの語源は「ウラヌス」・・・つまり天王星です。
天王星の公転周期は84年であり、冥王星、海王星に次いで「3番目に遅い星」ですから、「強力な星」に分類されるんですね。占星術ではこれを「トランスサタニアン」と言います。

実は、1945年8月、天球上で「火星(マルス)」と「天王星(ウラヌス)」のコンジャクションが発生していました。まさにウラヌスが「マルスの前後を支配していた時期」に当たるのですね。
1945年は8月6日、広島にウラン型原爆が投下され、8月9日には長崎にプルトニウム型の原爆が投下されました。
もちろん、これは「空から」投下されたものです。

つまり、彼の予言詩は「1945年にアラモゴルドという街で、その後の世界支配体制を決定付けるような恐ろしい核実験が行われ、それが8月に実戦で使用される」ということを暗示しているように思われるのです。

となると、ノストラダムスブームが起きた1970年代にはすでに「予言詩の内容は成就していた」ことになるわけです。

ノストラダムスが生きたルネサンス時代には、天王星も冥王星も発見されていませんでしたから、彼の予言詩を当時の人間が解釈することはそもそも不可能でした。

天王星は1781年、冥王星は1930年に発見され占星術に組み込まれますから、これ以降でなければ「意味が分からない」ように細工されていたんですね。

一行目の「1999年」という表記にこだわるあまりに、他の部分の文章に「時期が記されている」ことには誰も気がつかなかったのかもしれません。

まぁ、ノストラダムスの予言詩解釈は無数にありますので、私の解釈が正しいとは断言できませんが、「現役占星術師が予言詩を読むとこのような解釈になる」という一例だと思ってくださいね。


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