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zoom RSS 運命は変えられる

<<   作成日時 : 2018/08/14 11:08   >>

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ここ二日間ほど、鑑定の仕事をちょっと減らして、手塚治虫の『ブッダ』全14巻を一気に読破しました。
図書館に全巻セットがあったんで、つい一気読みしてしまったんですが、仕事を休んで漫画が読めるんですから、この辺はフリーランスの特権ですね(笑)。
全体的に、物語はかなり脚色されていますので、史実と違う部分はありますが、さすが「漫画の神様」と呼ばれる手塚先生です。キャラクターたちは非常に魅力的に描かれていて、特に動物の愛らしさは現代でも十分に通用するレベルの絵と言っていいでしょう。

さて、その中で私が気になったのは、物語に登場してくる二人の「予言者」です。
『ブッダ』という漫画の中には、未来の出来事を透視できる「予知能力者」が二人登場するんですね。

一人目は、ブッダの若き日の修行仲間だった「アッサジ」という少年です。漫画の中では、ちょっと知的な障害がありそうな雰囲気で描かれていますが、彼は優れた予知能力を持っており、王様の死ぬ日や死因を言い当てたり、相談者の結婚相手がどんな人になるのかをスラスラと答えることができたのです。

アッサジは自分自身が死ぬ日も正確に予言しており、その死に方も「獣に引き裂かれる」という具体的なものでした。
ブッダは親友を救うために、その予言の日にアッサジに獣が近づかないように一晩中見張ることにしました。しかし、途中で居眠りをしてしまいます。
気がつくと、寝床にアッサジがいない!
ブッダは慌てて付近を探しますが、その頃、夜道をフラフラ歩いていたアッサジは飢えた狼の親子を見つけてしまいます。それを気の毒に思ったアッサジは、自分の身を狼たちに食べさせる決断をします。
ブッダがアッサジを見つけた時には、すでに彼の体はバラバラに食いちぎられており、その自己犠牲的な行為に激しい衝撃を受けて泣き崩れます。
漫画の中では、のちにブッダが菩提樹の下で悟りを開いたのは、この日の事件が直接のきっかけになったとされているんですね。

これだけ見ると「仏教的には結局、運命は変えられないということか?」という結論になってしまいそうですね。アッサジに死ぬ日を予言された王様も、ぴったり予言通りの日に、自分の息子に殺されて亡くなっているのですから、まるで映画「ファイナルデスティネーション」みたいです。

ただ、これで終わらせないのが、手塚治虫のすごいところですね(笑)。

もう一人の予言者は、ブッダの十大弟子のひとり「モッガラーナ」です。

ブッダは「人々の運命を変えたい」と強く願い、そのためには「正確な未来を知る必要がある」と思い立ちます。そして一番弟子のアナンダに「アッサジと同じ能力を持つ人を探してきて欲しい」と頼んだのでした。
かなり無茶な要求なので、周辺の弟子たちは「数十年はかかるだろう」と思っていましたが、アナンダは半年ほど諸国を放浪し、別の教団に所属する修行僧のモッガラーナを見つけます。

モッガラーナは、会った瞬間にアナンダの過去をすべて言い当て、未来も予言しました。
実はアナンダはもともと大悪党の盗賊で、これまでに250人もの人間を殺したほどの「賞金首」だったのです。後にブッダと出会い、改心して一番弟子となりましたが、モッガラーナは、そのアナンダの過去のすべてを一瞬で見抜いたのですね。
しかし、アナンダに「何でも未来が見えてしまうとしたら、人生がつまらなくないですか?」と聞かれたモッガラーナはこう答えています。「運命は川の渦のように、刻一刻と変化しています。私が予知する未来は、このまま何もせずに過ごした場合の未来であって、必ずしも確定した未来ではないのです」
つまり、モッガラーナは「未来は変えられるのだ」とここで明確に断言しているのですね。

アッサジの事件で「運命は間違いなくあるのだ」と印象付け、後からモッガラーナに「運命は確定してはいない」と語らせるのですから、さすが手塚治虫先生です。長い長い物語が、最初から最後まできちんと「見えない糸」でつながれているのですね。

ここに私たち占星術師にとっての「希望」があります。
決して変えられない未来であるなら、それを事前に知る価値はないでしょう。むしろ知らないほうがいいかもしれませんね。
しかし、もし変えられるのであれば「このまま何も考えずに進めば、こんな悲劇的なことが起こりますよ」と知ることは決して無駄ではないはずです。

もともと仏教は「苦しみの運命」から人間を解放するために始まった宗教です。だからこそ「運命は確かに存在するが、それは行いによって変えられるのだ」というのが、仏教的な結論ということになるんですね。

画像




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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
昔ブッダを読んだ時はどうしてもアッサジの気持ちが理解出来なかったのを思い出しました。
アッサジの場合『死の運命』は変えられませんでしたが、死に方を決めたのはアッサジ自身であるので、彼は満足して死ねたのかなって今はそう思ってます。

難しい事ですが占星術などで事前に知っていたら準備が出来ますね。
選択に迷う時スイレンさんの診断を基準にして決めるようにしてから、少しずつ変わってきましたよ(^^)ノ
なつ
2018/08/15 12:56
アッサジと似たような行動を取った人は現実にもいますね。

例えば、アウシュビッツの強制収容所で一人の神父が自分のパンを他の人に分け与えて、自分は「餓死した」というような例です。

それが正しい行動なのかどうかは、凡人の私には分かりませんが、少なからずそのような「崇高な行い」をする人は、現実にも存在するのですね。
スイレン
2018/08/17 10:23

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