グラン・ブルーの世界

一昔前までは人間が器具をつけずに潜れる限界は30mだと言われていました。そんな時代に100メートルの壁を突破した人物こそジャック・マイヨールです。ヨガと瞑想の達人でもあり、私が最も尊敬する人物の一人です。

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素潜りと瞑想はどんな関係があるのか?人間の器官の中で最も酸素の消費量が多いのは脳です。およそ全体の40パーセントを脳が使っているといわれますが、緊張したり、興奮したりするとさらに消費量は増えます。逆に、何も考えない無念無想状態になれば酸素消費量が極限まで抑えられ、より長い時間潜水することが可能となります。無念無想は禅の目指す境地であり、彼自身静岡県の禅寺でしばらく修行していたことがあり、100メートルの記録を出したのはその直後だそうです。そういえば、日本女子の記録保持者高樹沙耶さんも瞑想を実践しています。

想像してみてください。水深100メートル・・・黒い海底も、白い水面も遠いすべてが青のグラン・ブルーの世界。呼吸は完全に停止していて、水圧で体はつぶれ変形します。
そこでもし一瞬でも不安や恐怖を感じれば、酸素の消費量が増え即、死に直結します。
これはブラックアウト現象と呼ばれ多くのダイバーを死に至らしめました。われわれのイメージだと、窒息死は徐々に意識が薄れ気が遠くなって・・・と考えますが、実際は酸欠になると突然意識を失います。映画グラン・ブルーの中でジャックのライバル、エンゾがこのブラックアウトで命を落とします。映画では死にましたが現実世界のエンゾはこのとき一命を取り止め,競技からは引退してしまいました。

無念無想、完全なる平常心・・・これが崩れれば死あるのみ。このとき記録を出したいという欲や、死について考えることも酸素消費量を増やします。これこそ究極の瞑想修行でしょう。

でも、瞑想の本質は喜びです。これほど過酷な条件なのに、ジャックは競技後のインタビューで「あまりに気持ちよすぎて、そのまま海底にとどまりたかった。」と語ったことがあります。

私はダイビングはしたことはありませんが、瞑想中同じような体験をしたことがあります。深い瞑想状態に入り、ふと気づくと自分の呼吸が止まっている。でも、別に吸いたいとも思わない。苦しさは全く感じず、それどころか何か大きなものに包まれているような暖かさを感じる・・・・自分が空気に溶け込んだように感じて、体が軽い。でも吸わないとマズイのかな?じゃ、ちょっと吸ってみようか。一息吸った瞬間通常の感覚に戻り、その日はもうあの「軽さ」は感じなくなりました。

それからしばらくして、本屋で見つけたジャックの本の中に「私は自分が海に溶け込んでいくのを感じた。大洋と合体し、私自身に海が満ちてきた。海そのものになる感覚。海が私のすべてとなり、一部となる」という文章を見つけ、自分のあの感覚が、夢や錯覚でないことを知りました。

もう一度言いますが瞑想の本質は喜びです。苦労や努力は必要ありません。ただ自分の感覚を楽しむ好奇心さえあれば十分です。

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この記事へのコメント

2006年08月22日 20:02
こんにちは。新着から入りました。暑いですけどお互いにいいブログを作りたいですね。うちにもどうぞお越しください。
もっち
2006年08月23日 09:10
いいですねぇ~~

その向こうに行こうという目的意識で瞑想や座禅をするのではなく、ある日ふと「あら、いっちゃったのね」みたいなかんじかもしれないっすね。笑
本当の達人って偉そうでなく、なんちゃないよね。
聞いててもすっごく軽いよね。(*^_^*)

>でも吸わないとマズイのかな?
笑わせていただきました。あはは・・・
どのくらい呼吸停止できるんやろね・・おもろい♪
スイレン
2006年08月23日 09:54
呼吸が停止するほどの瞑想状態だと、時間感覚が消失しますから、実際どのくらい呼吸停止していたかはわからないですね~。

テレビでヨガの達人の瞑想実験を観たことがありますが、5分以上も呼吸停止したあげく、心拍数も一分間に2回などという信じられない数字が出ました。
そのときの医者の「機械の故障としか思えない」「医学的には死んでます」ってコメントが印象的でした。

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