霊性と情熱のあいだぐらい

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zoom RSS 不思議な出会い

<<   作成日時 : 2017/12/02 12:43   >>

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数日前、関西の知人がわざわざ宮城を訪れてくれましたが、「観光はしなくていいから、被災地が見たい」というので、石巻市内を案内することにしました。
直前まで、世界遺産の平泉に連れて行ってドンチャン騒ぎしようと計画していましたから、「観光したくない」という話に結構焦りました(笑)。

石巻の被災地ツアーの定番と言うと、日和山のふもとにある「石巻ニューゼ」と呼ばれる情報施設でしょう。
石巻ニューゼは石巻日日新聞が運営している情報館です。石巻日日新聞は石巻市、女川町、東松島市地域のみで発行されている小さな「地域新聞社」ですが、震災当時、津波で本社が水没したため輪転機が動かせず、震災後6日間にわたって手書きの「壁新聞」を発行して地域に情報発信を続けたことで一躍有名になった新聞社です。
この時のエピソードは、中村雅俊主演でドラマ化もされているし、その時の壁新聞は国際的な新聞賞を受賞し、海外のジャーナリズム博物館にも永久保存されている。

石巻ニューゼにも、その時の壁新聞の実物が展示されているので、被災地見学をする時には絶対に外せないスポットと言っていいだろう。私も過去にこのブログで何度か紹介していますね。

津波が押し寄せた当時、日日新聞の記者数名は石巻市役所の災害対策本部で取材活動をしており、津波を逃れて市役所に避難した私の妻らと一緒に3日間、市役所の建物内に閉じ込められました。ドラマでは戸田恵子さんや長島一茂さん、袴田吉彦さんが一階部分が水没した市役所に閉じ込められた記者役を演じていたが、そういう意味では、日日新聞と私は縁が深いと言えるかもしれません。

石巻ニューゼに入ると、日日新聞の常務取締役である武内さんが出迎えてくれた。武内さんはTBSの「情熱大陸」にも二度出演したことのある地元の有名人ですし、ドラマでは柄本明さんが武内常務の役を演じました。この方とは今まで何度もお会いしているのですが、残念ながら向こうは私を覚えていませんでしたので(苦笑)、まずは自己紹介から始めました。
当時、妻が日日新聞の記者と一緒に市役所に閉じ込められていたことや、私が妻を救出するために水没した市内を歩き回ったこと、今日は関西から来た知人に被災地見学をさせていることなどを説明しました。
すると、武内さんは「ああ、それはちょうどいいところに来ましたね。今、アメリカから津波の研究に来ている学者さんがいるので、被災者の目線でぜひ彼とお話して見てください」といって、50代ぐらいの男性を連れてきた。その間、私の知人は武内さんが相手をしてくれると言うことでした。

この学者さんは、ジーンズ姿の明るい感じの男性で、国際的な災害対策会議に出席するために来日しているのだそうな。
流暢な日本語を話していましたが、ところどころ英語交じりでユーモアもあり、とても魅力的な男性でした。
晩年のスティーブ・ジョブズをイメージしてもらえるといいかもしれません。

最初に「あなた方は、津波を見た時、どう思いましたか?」と聞かれ、妻は「私は石巻駅前にいたんですが、水が流れ込んできた時、津波だとは思わず、水道管が破裂したんだと思いました」と応えた。
彼が不思議そうな顔をするので、私がすかさず、フォローを入れる。
「実は石巻駅前は、海から2キロ以上離れているので、津波が来るなんて誰も思っていなかったんです。あそこから海も見えません。だから、みんなその水が津波だとは気がつきませんでした。」
「そうだったんですか・・・。津波警報は聞こえませんでしたか?」
「鳴っていたかもしれませんが、全く気がつきませんでした。携帯も通じませんでしたし、停電もしていました。車のラジオぐらいしか情報源がありませんから、徒歩の人は完全に情報から遮断されていたと思います。本当に誰も津波が迫っていることは知らなかったんです」
「なるほど。私は昨日、岩手県の陸前高田市に行ってきたんですが、陸前高田に津波が到達してから、石巻市に津波が来るまで30分ほどのタイムラグがあったことが分かっています。つまり、陸前高田の津波の情報がすぐに伝わっていれば、石巻や仙台の犠牲者はもっと少なかったんだと考えられるのです。」
・・・・この学者の言うとおりだ。今回の災害は「情報」が生死を分けたと言っても過言ではない。「津波が来る」と分かってさえいれば、どれほどの命が救われただろうか・・・。町の中心部に「日和山」という高台がある石巻市は、その気になれば避難場所には困らないのだから。
ただ、現実的に、あの状況で、すべての被災者に情報を伝達する手段はなかったはず。
「でもあの時、東北全域が停電していましたし、スマホも通信不能の状態でしたから、それは難しかったんではないでしょうか?」
「ええ、だから私が研究しているのは、ドローンによるリアルタイムの映像を、ダイレクトに各個人のスマホに送信するという方法です。ドローン自体に送信機能を持たせて、周囲、数キロ圏内の人に津波のライブ映像を見せることができると言うものなんです。つまり、停電していても、既存の通信装置が破壊されていても、スマホのバッテリーさえあれば、情報が得られると言うことなんです」
「それは、専用のアプリを入れると言うことですか?」
「はい、そのアプリも開発中です。実はその開発を急がなければいけない理由があるのです」

彼の話は非常に面白く、私は時間を忘れて引き込まれた。津波学者と占星術師という立場の違いはあるが、未来の危険を察知して「人の運命を変えよう」という理想が同じだからかもしれない。

「実は私の研究では西暦1700年ごろに、アメリカで大津波が起こっていたと考えられるのです」
この辺の説明はほとんど英語だったため、理解するのはちょっと時間がかかったが、彼の真剣さだけは伝わってくる。
「アメリカ東海岸・・・ニューヨークやワシントンのあたりですが、かなり内陸の地域に『同じ日』に枯れたと思われる複数の大木の痕跡があるのです」
「つまり、内陸が塩水に浸かったということですね?」
津波を受けた木が塩害で枯れてしまうのは、東北の被災地では見慣れた光景なのですぐに理解できた。
「そうです。しかし、当時はまだアメリカという国はありませんでしたから、住んでいたのはネイティブ・アメリカンだけです。彼らは文字によって記録を残す習慣はなく、すべて口伝による言い伝えしかありません。だから公式な記録が何も残っていないのです」
「確かアメリカ建国は1776年でしたね」

こういうのを以心伝心と言うのかもしれないが、お互いに相手の言おうとしていることがよく分かる。自分と波長が合う人と話をするのがこんなにも楽なのかと改めて気づかされた。英語と日本語でやり取りしているのに、お互いに相手に聞き返したりすることなく、話がどんどん進んでいく。

「そうです。しかし、1700年ごろ、江戸時代の日本の文献の中に、小規模ながら津波が到達したという記録を見つけました。これが、ワシントンで枯れた木の年代測定の年とほぼ一致するのです」
「なるほど。つまり、日本の津波の記録は地球の裏側で、何か大きな災害が起きていたという証拠になるんですね」
「はい、私の研究ではアメリカに大津波が起こるのは240年周期だと考えています。しかし、前回の津波からすでに300年以上が経過していますから、本当に対策を急がなくてはならないのです。アメリカ人は津波に対する危機感を全く持っていません。Normalcy biasです。日本語ではなんていうんですかね?」
「ああ、たぶんそれは正常性バイアスですね。妻が津波を見ても、あまり危機感を感じなかったのもそれですね」
「はい、人間は自分が経験したことのないものを軽く扱う癖があります。津波は数十年、数百年に一度しか来ませんから、真剣にそれを考えなくなってしまうんです」

言っておくが、私は英語は詳しくない(笑)。なのに、この学者さんが相手だと、何を言おうとしているのかすぐに分かってしまう。「気が合う」というのはこういうことを言うのだろう。

この人ともっと話したい衝動に駆られたが、一緒に連れてきた知人が、すでに「つまんなそう」にしていたので、「時間の都合があるので申し訳ありませんが・・・」と言ってその場を離れた。
その後、一緒に歩きながら妻が「スイレンさんがあんなに楽しそうに他人と話をしているのを初めて見た」と言われた。そうかもしれない。

私はこれまでの人生のほとんどを「一匹狼」で通してきた。組織に所属することが嫌いで、占星術の勉強もずっと独学を貫いた。今の仕事においても、決して誰とも組まないし、「孤高」こそが私の理想のようにさえ感じていた。
だから誰かに師事したこともない。

ただ・・・・自分ひとりで活動していると「新しい視点」は得られにくい。つまり一定以上の進歩ができない場合があるのだ。
私も、そろそろ他の占星術師との協力体制を考えてもいいかもしれない。できれば、自分と同じレベルか、それ以上の相手と組めれば、自分の世界も変わっていくだろう。
そんなことを考えさせる不思議な出会いでした。ああ、そう言えば、あの学者さんの名前を聞いておくんだったな・・・。

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